ママ、見て! 3針だよ!
ゼニスがデファイ リバイバル A3642を発表したのは、1週間前の今日だった。より直接的な方法でコレクションの歴史を昇華させることに焦点を当てたゼニスがこれまで試みたことのない新しいタイプのデファイであり、限定モデルだった。
これは戦略的なリリースだった。ラグジュアリースポーツウォッチカテゴリーにおけるゼニスのポジショニングを強調し、デファイシリーズの新しいフラッグシップサブコレクションとして今日発表されたデファイ スカイラインにつなげるためでもあったというわけだ。このコレクションは、新しいケースデザインにムーブメント、そして3針スポーツウォッチに対する新たな考え方を導入したみっつの時計で構成されている。
スカイラインについてまず注目すべきは、当たり前だが、クロノグラフではないということ。しかし、この時計について次に知っておくべきことは、昨年のヒット作、クロノマスター スポーツに搭載されデビューした、コンマ1秒の計測を可能としたハイビート・クロノグラフムーブメント、エル・プリメロ キャリバー3600のバリエーションを搭載していることである。スカイラインは、エル・プリメロ キャリバー3600をベースに、その逆をいったモデルなのだ。センターに時分針、9時位置にスモールセコンドを配し、クロノマスター スポーツのセンタークロノグラフ秒針のように10秒で1回転する、従来にないスポーツウォッチに仕上がっている。
ゼニス デファイ エルプリメロ21 95.9002.9004/78.M9000
ゼニスが誇るエル・プリメロを搭載したニューモデル、「デファイ エルプリメロ21」。
エル・プリメロの持つ36000振動を最大限に活かした1/100秒クロノグラフモデルとなり、センターに設けられた秒針は一秒で一回転します。
3時位置に30分積算計、6時位置に60秒カウンター、そして9時位置はスモールセコンドの配置となります。さらに12時位置にはクロノグラフのパワーリザーブインジケーターを設けています。
実生活では必要な場面はほとんどないオーバースペックなクロノグラフですが、是非一度1/100秒計の回転速度をご覧ください。
デファイ スカイラインは、エル・プリメロがデビューした1969年に発売された初代A3642に代表されるデファイの精神を受け継ぐモデルとすることもできる。A3642とその初期の兄弟モデルは、オーデマ ピゲのロイヤル オークが登場する3年前に発売され、300mまでの防水性能とムーブメントを取り巻く衝撃吸収サスペンションシステムの導入により、当時としてはほぼ前例のない耐衝撃性を実現していた。新しいタイプのスポーツウォッチを開拓することに専念したことで、その存在を証明した腕時計だった。
スカイラインは、オリジナルのデファイほど実用的ではないかもしれないが、何か新しいものを提供したいという過去のモデルの純粋な願望を受け継いでいる。9時位置のコンマ何秒という高速で動くサブダイヤルがその一例だ。スカイラインは、スポーツウォッチとしてのデファイの歴史的な価値を維持しながら、ゼニスに新時代のプラットフォームを提供しているのだ。